パレオアジア文化史学

文部科学省 科学研究費補助金
新学術領域研究(研究領域提案型)
平成28年度~32年度

領域活動

2019(平成31年度)公募研究募集◆終了しました

パレオアジア文化史学 -アジア新人文化形成プロセスの総合的研究
領域略称名: パレオアジア
領 域 番 号 : 1802
設 定 期 間 : 平成28年度~平成32年度
領域代表者: 西秋 良宏
所 属 機 関 : 東京大学総合研究博物館

約20万年前頃のアフリカ大陸で誕生したホモ・サピエンス(新人)は、10~5万年前頃以降、ユーラシア各地へと拡散し、旧人 など先住の諸集団と「交替」した。本研究領域は、絶滅人類が生息していた頃のアジア(略称パレオアジア)における「交替劇」 を文化史的観点から解析し、その在り方の地理的変異や特質を実証的、理論的に論じる。注目するのは、アジアにおいては「交替劇」進展の速度や先住集団との接触、交流の程度などに多様な在り方があった可能性である。ヒトが交替したはずなのに石器文化 が交替したようには見えない地域すら認められる。そうした多様な交替劇の実態を実地研究によって明らかにし、多様性が生じた 背景を理論研究を通して説明したい。
公募研究は研究項目(詳細は領域ホームページ)ごとに募る。過去の証拠を扱う項目Aでは考古学、人類学などによる関連遺跡・人類化石の編年研究やその地理的変異を広域的に比較する研究(A01)、考古科学、人類生態学、動植物考古学などの手法で新人の 行動様式復元に寄与する研究(A02)、古気候学、古環境学、年代学など地球科学分野の手法によって新人のアジア拡散・定着期の環 境に関する研究(A03)を募集する。一方、理論分野に関わる項目Bでは現生人類の行動観察の結果や文化人類学的理論を過去の解釈 に活用する文化人類学、民族考古学等(B01)、ヒトの拡散と文化進化の多様な在り方を説明する数理モデル、集団遺伝学、進化生 物学などの分野(B02)からの応募を想定している。
単年度当たりの応募上限額は原則200万とするが、考古学・環境科学系海外フィールドワークや理化学実験を伴なう課題につい ては300万を上限とする。
計画研究の内容を補充・拡張し、アジア新人文化形成プロセスの研究に貢献できる研究の応募を期待する。特に、若手研究者の 応募を歓迎する。

研究項目
A01■ アジアにおけるホモ・サピエンス定着プロセスの地理的編年的枠組み構築
A02■ ホモ・サピエンスのアジア定着期における行動様式の解明
A03■ アジアにおけるホモ・サピエンス定着期の気候変動と居住環境の解明
B01■ 人類集団の拡散と定着にともなう文化・行動変化の文化人類学的モデル構築
B02■ 人類集団の拡散と定着にともなう文化・行動変化の現象数理学的モデル構築

応募上限額(単年度)及び採択目安件数
300万円  4件
200万円  9件
(平成29年度公募研究 平均分配額185万円 最高配分額200万円)