パレオアジア文化史学

文部科学省 科学研究費補助金
新学術領域研究(研究領域提案型)
平成28年度~32年度

関連

関連図書刊行のお知らせ◆文化進化の数理 田村光平著(2020)

文化進化の数理

田村光平 著

出版社名 森北出版
出版年月 2020年4月22日
ISBN: 978-4-627-06271-9

内容

文化の継承を生物の遺伝のアナロジーとして捉え、文化多様性の変化を進化生物学の方法論で捉える文化進化の研究は、パレオアジア文化史学のプロジェクトでも、とくにB02班の活動の中核となっている。

本書は、文化進化を研究するための数理モデリングやデータ解析の基礎を解説した教科書である。

パレオアジアプロジェクトの成果をより深く理解するきっかけにも、「文化」という複雑な現象を数理的に扱うための手引きにもなるだろう。

目次

1章 文化進化とは何か
 1.1 はじめに
 1.2 文化とは何か
 1.3 文化進化とは何か
 1.4 文化進化研究の歴史
 1.5 文化進化の射程と限界

2章 文化小進化の数理
 2.1 本書の方針
 2.2 文化小進化とは何か
 2.3 集団遺伝学の基礎
 2.4 文化進化のモデルと集団遺伝学のモデルの対応
 2.5 伝達の経路
 2.6 学習バイアス

3章 文化小進化の発展的なモデリング
 3.1 変動環境下における個体学習と社会学習の共進化
 3.2 非適応的文化進化:文化と遺伝子の利害が対立するとき
 3.3 蓄積的文化進化:何が文化を複雑にするのか?
 3.4 文化的群淘汰:集団間闘争による規範の拡散

4章 文化小進化のデータ解析
 4.1 心理実験からの学習戦略の推定
 4.2 ヒト以外の動物における文化進化
 4.3 考古学データからの文化伝達の推定

5章 文化大進化の数理
 5.1 文化大進化とは何か
 5.2 分岐・絶滅・文化伝播
 5.3 集団間の文化的距離を測る
 5.4 集団構造と文化大進化プロセスの推定
 5.5 文化系統学
 5.6 祖先形質復元
 5.7 幾何学的形態測定学の文化への応用
 5.8 文化進化研究のためのデータセット